さようならのあとに、あなたは誰になるのか

さようならのあとに、あなたは誰になるのか

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さようならのあとに、あなたは誰になるのか

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『さようならのあとに、あなたは誰になるのか。』

――命の声に耳を澄ませる大晦日


除夜の鐘が、街の奥で微かに響きはじめた頃――
一年という名の命が、そっと息を引き取ろうとしています。

静かに、ゆっくりと。
誰にも悟られないように。
まるで、この一年が「ありがとう」と小さく微笑みながら、
私たちの背中に手を添えてくれているように。

大晦日とは、
「さようなら」を優しく言うための儀式。

だけど――
そのあとに始まる“あなた”について、
あなた自身は、どれくらい知っているでしょうか?


この一年、
あなたの身体は、たくさんの“さようなら”を受け取ってきました。

・涙を飲み込んだとき、
・声にならない想いを抱えたまま、笑顔を選んだとき、
・誰かの不在に、言葉を探し続けた夜。

皮膚が覚えてる。
胃が覚えてる。
声のトーンが覚えてる。
心の奥では忘れていても、身体はずっと覚えているのです。

筋温が1℃上がると、柔軟性が1割上がるように。
私たちの“感情の温度”も、触れること・許すこと・手放すことで少しずつ緩んでいきます。

この大晦日という日に、
あなたの内側に残っている「言えなかったさようなら」を、
どうか、身体ごとそっと感じてあげてほしいのです。

③それぞれの“さようなら”

あのとき、
母に言えなかった「ありがとう」。
父に残せなかった「お疲れさま」の一言。
兄弟との間に起きた、あの静かな決裂。
子どもの手から、そっとこぼれ落ちた夢のかけら。
そして――親友との永遠の別れ。

そのすべてに共通していたのは、
「言葉にできなかった想い」があったこと。

でも、涙は語っていました。
声は震えていました。
身体は、ちゃんと反応していたのです。

それは、“生きていた証”であり、
“愛していた証”だった。

もう一度、あのときに戻れたら言いたい言葉。
言えなかったけど、確かに存在した気持ち。

それを今日、この静かな大晦日に、
そっと「終わらせる」のではなく、「抱きしめて」あげましょう。


そして今、問いかけます。

「さようなら」のあとに、あなたは“誰”になるのでしょうか?

・過去を引きずる人?
・誰かの期待に応え続ける人?
・それとも――「震えるほうへ」進む人?

魂は、
別れによってだけ“本来のかたち”に戻ります。

蝶が羽化するために、蛹が崩れるように。
木が芽吹くために、葉を落とすように。

あなたの中の何かを手放したそのあと、
そこに生まれる“静かな空白”に――
未来の自分の声が、そっと届いてくるのです。


今年、あなたに起きたこと

今年、あなたは何を失い、何を受け取りましたか?

誰かとの別れがありましたか?
計画通りにいかない日々に、うなだれたことは?
頑張っても報われず、自分を責めた夜は?
無理に笑った日、
眠れなかった朝、
そして――それでも前に進もうとした、静かな勇気は?

きっと、他人からは見えなかっただろうけれど、
あなたはずっと、“内なる旅”を続けていたのです。

・ふと出会った一冊の本
・思いがけず交わした、誰かの言葉
・なぜか涙が止まらなかった瞬間
・心の奥でふっと軽くなった日

それらすべてが、あなたの**身体と魂に静かに蓄積されている“変化”**でした。

何かが終わったようで、
実は何かが“始まっていた”。

それが、
**この一年間という命の“真実”**だったのかもしれません。


そして2025年に、世界はまたひとつ、
新たな時代の扉を叩いていました。

――アメリカでは新たな大統領選を前に、価値観の分断がより浮き彫りに。
――ヨーロッパでは異常気象と移民問題が重なり、“共に生きる”とは何かが問われました。
――ウクライナとガザでは、いまだ終わらぬ争いの火種が、命を奪い続けています。

そして日本でも――

・能登半島地震の傷跡に、復興の灯りが少しずつともりはじめたこと
・円安と物価高が続く中でも、“足るを知る暮らし”に回帰する人々が増えたこと
・パリ五輪を前にしたスポーツ界での再挑戦と若きヒーローたちの誕生
・子どもたちのいじめや孤独に光を当てた新しい教育の試み
・生成AIと人間の共創が、本当の“知性と感性のバランス”を模索し始めたこと
・そしてついに、女性として初の総理大臣が誕生し、“しなやかな強さ”が国の中心に立つ時代が始まったこと

変わることに戸惑いながら、
それでも人は、誰かのために灯りをともし続けています。

日々のニュースの裏側で、
ひとつひとつの出来事が、
誰かの“命の選択”として静かに重なっていたのです。

この国も、世界も、
いつだって、誰かの祈りと行動の上に成り立っている。

そう思わされた、そんな一年でした。


今年という命が
静かに幕を下ろそうとしている

誰にも知られず
何も要求せず
ただ
あなたの傍に寄り添ってくれていた

あの涙も
あの怒りも
あの祈りも

すべてこの命の一部だったと
今日 やっと
知ることができる

さようならを
哀しみの言葉にしないで

それはむしろ――
「あなたはよく生きたね」という
命からの抱擁なのだから

格言
「別れとは、命が自分を更新するための儀式である。」

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RMA戦略家
岩根 央

岩根央

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