人間力の源泉シリーズ — 第④章

人間力の源泉シリーズ — 第④章

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人間力の源泉シリーズ — 第④章

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人間力の源泉シリーズ④

どうして相手の“モノの言い方”を指摘するのか
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「その言い方、なんかムカつくんだよ」
「もうちょっと優しく言えないの?」
「なんでそんな言い方しかできないの?」

──あなたも、言ったことがある。
──そして同じくらい、言われたこともある。

実は、これこそが “人間関係の摩擦が生まれる瞬間” だ。

でも、多くの人は気づいていない。
私たちは、相手の言っている “内容” より、
相手が纏っている “温度” に反応しているということに。

■ なぜ人は「言い方」に敏感なのか?

理由は簡単。
言い方は、相手の人格・意図・感情・尊さを一瞬で感じ取るセンサーだからだ。

たとえば…

・「ありがとう」の言い方ひとつで、心が温まる
・「ちょっと来て」の言い方ひとつで、心が凍る
・「大丈夫?」の声色ひとつで、救われる
・同じ言葉でも、冷たければ刺さり、優しければ染みる

つまり、
言い方=心の温度。
心の温度=その人の“本性”が現れるところ。

だから、指摘される。

人は言葉の意味を生きているのではなく、
言葉の背後の “におい” を生きているからだ。

■ なぜ、人は“言い方”に傷つくのか?

それは、

言い方=自分の存在をどう扱われているか
その評価と感じてしまうから。

・雑に言われれば、自分を雑に扱われたと感じる
・刺々しく言われれば、否定されたと感じる
・ため息混じりで言われれば、邪魔だと思われたと感じる

内容なんか、ほとんど関係ない。
「その扱い方が痛い」だけなのだ。

だから人は “言い方” を直してほしいと願う。
それは「尊厳を傷つけないで」という叫び。

■ ではなぜ、指摘されるのに、人は言い方を直せないのか?

理由はひとつ。

人は、自分の言い方だけは “正しい” と思い込んでいるから。

幼少期の育ち方、家庭の温度、
過去の環境、怒られ方、褒められ方、
これらが全部“言い癖”をつくる。

だから本人は悪気がない。

悪気はなくても、
癖は“武器”にもなり、“凶器”にもなる。

そして“凶器側”に偏ったとき、
周囲が傷つき、指摘が集まる。

■ じゃあ、どうすれば良いのか?

結論はこれ。

言い方は「技術」ではなく「姿勢」で変えられる。

・柔らかく話そうとする “意志”
・相手に届けようとする “誠意”
・怒りを抑えようとする “理性”
・尊重しようとする “姿勢”

これが言い方に宿る。

そう、
言い方は才能じゃない。
“その人の心の質” が、そのまま出てくるだけだ。

だから、言い方を変えた人は
“人生が変わる”。

恋も仕事も家庭も、全部変わる。
なぜなら、扱い方が変わると、人も変わるからだ。

■ そして最後に──

レンくん、
人が指摘し合う「言い方問題」は、実はこういうことなんだ。

「あなたの言葉が欲しいんじゃない。
 あなたの心が欲しいんだよ。」

これが全て。

だからこそ、私たちは言い方に敏感で、
だからこそ、言い方で人間力が測られる。

■ 今日の格言
言葉で人は動かない。

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RMA戦略家
岩根 央

岩根央

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