人間が「人」に成る時 ②
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人間が「人」に成る時 ②
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〜 愛が利害を越える、その瞬間に 〜
私たちはふだん「得か損か」で物事を判断し、
「成功するにはどうすればいいか」と未来を設計しようとします。
それは人として当然のこと。
でも――その先に、もうひとつの扉があるのです。
◾️“人間”から“人”へ変わるということ
人が「帰依」という境地に至る前は、
ほとんどの選択を、“損得”や“合理性”という物差しで測ってきたはずです。
未来を少しでも有利に進めるために、
正解を求めて、自分にとってベストと思える道を選び続けてきた。
それは悪いことではありません。
むしろ自然な反応であり、私もかつてそうだったと思います。
けれど、人生のある地点から、
私たちはもう一つ深い世界へと導かれ始めます。
◾️超越的な「手」にすべてを委ねるということ
これからは、運命そのものが「超越的な人格」――
つまり、私たちの枠を越えた存在の“手”を通して、与えられていきます。
それは、自分で何も決めなくていいということではなく、
むしろ誠実に生きることが、ますます重要になるということです。
自分の未来に願いがあるなら、できる限りの努力を重ねる。
けれど、それでも思うように進まないこともある。
そんなときは、結果を握りしめず、
「自分ではなく、もっと大きな意志に委ねる」
そんな心の姿勢が必要になります。
棚からぼたもちを待つのではなく、
「手を伸ばし、歩きながら託す」ような生き方。
◾️利害を越えて、愛せるとき
やがて私たちは、ある感覚にたどり着きます。
自分の利害から自由になったとき、
人を“条件なく”愛することができる。
損得を超えて、ただ相手を思える。
それは、努力ではどうしても到達できなかった
“心の地点”にふっと立っているような感覚です。
もちろん、私たちはまだ迷います。
利害で動きたくなる自分が出てくることもあるでしょう。
誠実でありたいと思いながら、
それに反する言動をしてしまうことも、きっとあります。
それでも、もう以前の私たちとは違うのです。
心の立ち位置が、確かに変わっているのです。
今のあなたは――
すべてを「超越的な愛の手」に委ねながら、生きているのです。
💫 今日の格言
「人間が“人”になるのは、自分の小さな利害から自由になったとき。」
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RMA戦略家
岩根 央