誰もが知らない、究極の交渉術
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誰もが知らない、究極の交渉術
交渉とは、“説得”ではない。
信頼という“静かな橋”を、そっと架けることだ。
たとえば、こういう構図を見かけることがある。
Aという話題は相手が好きなこと、Bはあなたが本当に伝えたい話。
多くの人は、すぐにBの話をしてしまう。
「これが必要だ」「これは良いものだ」と。
でも、それはまるで知らない家のドアをノックするようなもの。
中から“はい”と返事があるとは限らない。
けれど、Aの話——
つまり、相手の興味がある世界に一歩足を踏み入れると、
空気がやわらぎ、会話が、対話に変わる。
そこで初めて、Bの話を“そっと置く”。
押し込まない。ただ、置くだけでいい。
相手は気づく。「この人の話なら、聞いてみよう」と。
なぜ、そんな自然な流れになるのか?
それは、あなたが「売っていない」からだ。
人は、“何か”を売られると身構える。
けれど、“誰か”に惹かれると、心をひらく。
つまり、売っているのは「モノ」ではなく、
あなたという人間そのものなのだ。
私は18歳の頃、「無用の用」という言葉に出会った。
一見、興味のない相手、距離を感じる人——
けれど、その周りには、人生を拓く“何か”がある。
それを知ってから、交渉は「会話」になった。
勝ち負けではなく、“巡り合わせ”だった。
「あと5件、会えば1件は決まる」
それは確率論ではない。信頼の連鎖だ。
行政で言えば“交渉”とは“異動”に似ている。
誰がどの場所で、誰と出会うかで、景色が変わる。
だからこそ「信頼」が要になる。
最後に、ひとつだけ明かそう。
人は、一度「興味のフラグ」が立つと——
応援したくなる。
買いたくなる。
つながりたくなる。
究極の交渉術とは、
「自分が相手の世界を理解しようとすること」
その姿勢そのものが、最大の説得力なのだ。
本日の格言
「交渉とは、勝ち取るものではない。共鳴するものだ。」
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岩根央