本質は、感動である
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本質は、感動である
〜 涙の奥にある真実に、触れる夜 〜
小さな赤ちゃんを抱いた女性が、
一つの覚悟を胸に、宝石店の扉をくぐります。
彼女の手には、大切なネックレス。
それは、きっと誰かの遺品であり、
彼女の人生の“記憶”そのものでした。
生活のために売らなければならない。
けれど、心は叫んでいます。
「本当は、手放したくない」と。
男性店員は、淡々と紙幣を用意し、
ネックレスと引き換えに渡します。
女性は受け取った瞬間、
小さく、でも深い悲しみをにじませました。
その表情を見た店員は、
そっとネックレスを彼女の左手に戻し、
手のひらをしっかりと閉じたのです。
「これは、あなたが持っているべきものだ」と。
言葉にはせずとも、すべてが伝わる仕草でした。
女性は、戸惑いながらも紙幣を返そうとします。
しかし、男性はそれも受け取らず、ただ静かに微笑むだけ。
彼女は、涙をこらえながら、
店員をそっと抱きしめ、「ありがとう」とだけ言って
赤ちゃんと共に、店をあとにしました。
最後に、胸にネックレスをぎゅっと押し当てたその仕草に、
すべてが込められていました。
このネックレスが、どれほど彼女にとって大切だったか。
言葉ではなく、感情が真実を語っていたのです。
感動とは、情報ではありません。
理屈でもありません。
感動とは、人の中に残っていた“いのちの温度”にふれる瞬間。
人が人であることを、そっと思い出させてくれる奇跡。
だから、私たちは涙を流すのです。
それは弱さではなく、“本質を受け取った証”。
今日の格言
感動とは、心が真実に触れたとき、そっと流れる涙のことだ。
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RMA戦略家
岩根央